将来が見えず迷い続けた日々 | 私の経歴(第1回)
このシリーズについて
このシリーズでは、私のキャリアを振り返り、失敗や挑戦を通じて得た教訓を記しています。私は特別な成功者ではなく、数々の試行錯誤を重ねながら、少しずつキャリアを築いてきました。この記録が、皆さんのキャリア選択において何らかの役に立てばと考えています。
私は「就職氷河期世代」に属し、その影響でキャリアのスタートは順風満帆ではありませんでした。各ステージで学んだ教訓や具体的なアクションプランを紹介していきますので、必要に応じて参考にしていただければと思います。時間のない方は、要点を中心に読んでいただくだけでも構いません。ご自身の状況に照らし合わせて、活用してみてください。
荒れた高校時代と将来への不安
私は中部地方で育ちました。通っていた高校は地元でも評判が悪く、校内は常に騒々しく荒れていました。授業中も落ち着きがなく、退学した同級生がバイクで学校に乱入することもありました。暴力が日常的に行われており、私は巻き込まれないように過ごすのが精一杯でした。
学校が終わると、友人と遊ぶこともなく、家に帰ってはTVゲームに没頭する日々が続きました。家族も私の将来に期待している様子はなく、何をすべきか分からないまま、ただ現状が変わるのを待っているだけでした。このような状態が続いたことが、私に将来への不安と自己疑念を強く植え付けるきっかけとなりました。
彼女との関係
高校3年生の時、私は彼女と出会い、付き合い始めました。しかし、彼女との関係は私にとって必ずしも安定したものではありませんでした。彼女は情緒不安定な時期が多く、その度に私自身も精神的に消耗していきました。
高校卒業後も彼女との関係は続きましたが、私が進学やキャリアに迷いを感じる中で、彼女も特定の職に就かず、不安定な生活を送っていました。この状況が長く続くうちに、私にとって彼女との関係は大きなストレスとなっていきました。
専門学校への進学と中退
高校卒業後、将来について明確なビジョンを持てないまま、就職への不安からマスメディアに興味を持ち、専門学校への進学を決めました。しかし、この選択は「就職したくない」という消極的な理由に基づいており、目標や計画性を欠いていました。結局、授業に身が入らず、1年で中退することになりました。この経験は、進路選択の際に目的意識を持つことの重要性を痛感させるものでした。
その後の就職活動もうまくいかず、アルバイトを繰り返す日々が続きました。社会に適応できない自分に対して苛立ちを感じながらも、何をすればよいのか分からず、将来への不安だけが募る毎日でした。
フリーター時代の苦悩と事故の影響
その後、私はアルバイトをしながら生活をしていましたが、スキルやキャリアへの自信はなく、正社員として働くことは夢のまた夢のように感じていました。そのような日々の中、20歳の時に大きな転機が訪れました。交通事故によって大怪我を負い、数か月の入院とリハビリを余儀なくされました。体力が完全に回復するまでには4年もかかり、その間、長時間働けない生活が続きました。社会から取り残されている感覚に苛まれながらも、将来の展望はますます見えなくなりました。
予備校での挑戦と学歴コンプレックス
24歳の時、私は長年抱えてきた学歴コンプレックスを克服しようと決意しました。高校時代に培われた基礎学力が不足していることに気づき、予備校に通うことを決めました。当時、MARCH以下の大学には意味がないと考え、MARCH以上の大学を目指しました。しかし、勉強の仕方もわからず、特に英語と数学という基本科目で大きな壁に直面しました。予備校の授業も理解が難しく、何度も挫折感を味わうこととなりました。
センター試験を受けたものの、英語と数学の点数はほとんど取れず、滑り止めとして受験した地元の中堅大学にさえ合格できないという厳しい現実に直面しました。この経験は、自分の学力不足を痛感させるものであり、同時に学歴への執着が徒労であることを理解するきっかけとなりました。学歴だけではなく、他のスキルや経験がキャリア形成において重要であることを早く認識していれば、違った結果を得られたかもしれません。
楽な道を探してビルメンを目指す
学歴での挽回が叶わなかった私は、次に「楽そうで自分にもできそうだ」という理由でビルメンテナンス業界を目指しました。ビルメンに必要な「消防設備士(乙種4類)」が比較的簡単だと言われていたため、この資格に挑戦しましたが、勉強に集中できず、準備不足のまま試験に臨んで失敗しました。
この失敗を通じて、楽な道を探しても結局は自分の甘さを再確認するだけだという現実に直面しました。資格を取るためには、ただ参考書を買うだけで満足するのではなく、その分野に対して興味や目標を持ち、計画的に学習を進める必要があることを痛感しました。
別の道での資格取得の試み
ビルメン資格に失敗した後、次に挑んだのは「工事担任者DD第3種」でした。これはデジタル通信設備に関する資格で、将来性があると考えたためです。しかし、こちらも結果は同様で、準備不足と計画性の欠如が原因で失敗に終わりました。何度挑戦しても成果が出なかったことで、自己管理能力の不足や計画的な行動が必要であることを改めて痛感しました。
彼女との別れと新たな転機
29歳になった頃、長く続いていた彼女との関係に大きな変化が訪れました。ある日、彼女から突然別れを切り出されました。当初は大きなショックと混乱を感じましたが、次第に私の中には開放感が広がっていきました。その後、彼女が他の男性とも関係を持っていたことが判明しましたが、今振り返ると、この別れが私にとって大きな転機となったと感じています。
彼女との別れがなければ、私はいつまでも彼女との関係に縛られ、進むべき道を見失っていたかもしれません。この別れを機に、自分自身の人生に真剣に向き合い、次のステップを模索するようになりました。
教訓とポイント
- 消極的な進路選択と専門学校の中退
- 【失敗】「就職したくない」という理由で専門学校に進学するも、目的意識がなく1年で中退し、時間と費用を無駄にした。
- 【反省】進路選択時には、明確な目的と目標を持ち、それに基づいた計画的な行動が必要だった。
- フリーター生活と事故の影響
- 【失敗】将来への不安に向き合わず、アルバイト生活に身を投じたことで、交通事故後に長期間働けなくなり、社会から取り残される形となった。
- 【反省】リハビリ期間を有効活用し、スキルアップや資格取得に取り組むべきだった。
- 高すぎる学歴目標と資格・職歴の重要性
- 【失敗】学歴コンプレックスから、現実的でない高すぎる目標を掲げた結果、成果を得られず、時間を無駄にした。
- 【反省】学歴に固執せず、資格取得や職歴の積み重ねがキャリア形成に直結する要素であることを早期に認識するべきだった。
- 消防設備士の資格挑戦と楽な道の選択
- 【失敗】参考書を買って満足し、実際に消防設備についての知識や興味を持たないまま試験に挑んだ結果、失敗に終わった。
- 【反省】資格取得に挑む際は、その分野に対する興味や目標を持ち、しっかりと計画を立てるべきだった。
- 工事担任者資格の無計画な挑戦
- 【失敗】工事担任者DD第3種の資格を、明確な目標や計画を持たずに挑んだため失敗に終わった。
- 【反省】資格取得には、キャリアにどのように役立つかを考え、具体的な計画を立てることが重要だった。
今回記事のアクションプラン
まずは手に取れる経験を積む
- 仕事を通じて自分を知る: どんな仕事でも、やってみなければ自分に合っているかどうかは分かりません。アルバイトや短期の契約社員を通して、さまざまな仕事に触れてみましょう。例えば、オフィスワークのサポートや倉庫作業など、シンプルな業務からでも十分に自己分析の材料が得られます。まずは、興味がわくかどうかを確かめるために、現場の空気を感じてみることが大切です。
- 仕事から学びを得る姿勢: 最初の仕事が理想的なキャリアに直結しなくても、そこで得たスキルや経験は次に活かせます。どんな職場でも求められる基礎的なスキル(例えば、コミュニケーション能力や時間管理、簡単な事務処理)は、後に大きな武器となります。
手に取りやすい資格から始める
- 役に立つか分からなくても資格を取ってみる: 資格の取得は最初は小さなものから始めるのが良いです。たとえば、「食品衛生責任者」や「運転免許証」「フォークリフト運転技能講習」など、比較的簡単に取得できる資格に挑戦してみましょう。これらは将来的に役に立つ機会も多いですし、何より資格取得によって自信がつきます。
- 簡単な資格取得で成功体験を得る: まずは手軽に挑戦できる資格を取得してみましょう。例えば、「危険物取扱者 乙種第4類」や「普通自動車免許」など、基礎的な資格からスタートするのがおすすめです。一つ資格を取ることで、次に難しい資格に挑戦するモチベーションにも繋がります。
- 資格選びのポイントは実用性: 自分の興味や適性も大事ですが、実際の職場で役立つ資格や、将来的に需要が見込める資格を選ぶのが現実的です。「食品衛生責任者」や「運転免許」は、さまざまな業界で役立つ汎用的な資格です。
失敗をどう次に繋げるか
- 失敗は次へのステップと考える: 若いうちに経験する失敗は、後のキャリアでの成功に繋がります。資格試験に落ちたり、思うように仕事が進まなかったとしても、それを振り返り、次にどう改善できるかを考えることが大切です。失敗を恐れず、次のステップに活かしていきましょう。
- 次の挑戦を早めに設定する: 失敗した後は、できるだけ早く次の目標を設定しましょう。例えば、「次の資格試験に向けてどの部分を改善するか」「次の仕事ではどんなスキルを磨きたいか」を具体的に考えることで、失敗を次に活かすことができます。
感情やストレスの整理と行動
- 感情を抑えず、原動力に変える: 感情的になること自体は悪いことではありません。むしろ、ネガティブな感情は変化を起こすきっかけや原動力になることが多いです。仕事でストレスを感じたり、失敗に対して強い感情が沸き上がったとき、それを次の行動に繋げるチャンスと捉えましょう。例えば、落ち込んでいるときに何か新しい挑戦を始めることで、気持ちが一新されることもあります。
- 感情をエネルギーに変換する: 感情的になっている状態で無理に冷静さを保つのではなく、その感情をエネルギーとして次に進む原動力に変えましょう。トラブルやストレスを感じた時にその感情を受け入れ、それを行動に転換することで、新しい目標や行動に向けた力が湧きます。
キャリアチェンジや進路変更の現実的な方法
- 自分の強みを活かす方法を考える: キャリアチェンジを考える際、これまでの経験やスキルをどう活かせるかを考えましょう。全く新しい分野にゼロから飛び込むのではなく、例えば、接客業で培ったコミュニケーションスキルや、アルバイトでの時間管理スキルを活かして、他の職業に応用する方法を探ります。
- ステップを踏んで変化する: 一度に大きく変えようとするのではなく、少しずつスキルや資格を積み重ねて、徐々にキャリアチェンジを実現するのが現実的です。例えば、今の仕事を続けながら夜間に資格取得の勉強をするなど、日常生活の中で変化を取り入れることで、無理なく進路を切り替えることができます。
別れを恐れず行動する
- 関係の見直しを定期的に行う: 自分が無理に合わせすぎていると感じたり、関係が支え合いよりも「負担」や「義務」と感じることが増えた場合、関係を見直すサインです。ストレスや不安が日常的で、自分の幸せが減っていると感じたら、別れを含めて考えるタイミングかもしれません。
- 別れを恐れない: 別れる決断に恐れを感じるのは自然なことですが、長期的にみて自分の成長が妨げられているときは、新しい道を切り開く勇気も必要です。別れることで自由や新たな可能性を得る場合が多いので、変化が自分にとってプラスになると信じて行動することが大切です。
- 早めの決断で後悔を防ぐ: 問題のある関係に留まり続けると、時間が経つほど状況を変えるのが難しくなり、後悔することもあります。問題が長引いていると感じるなら、解決が見込めないときは早めに決断を下すことで、新しいスタートを切るチャンスを逃さず、自分のための時間とエネルギーを増やしましょう。